日本の性犯罪まとめ

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日本の性犯罪No001|歩行中の女性を車で拉致監禁、集団強姦に及んだ事件③(裁判所の判断)

日本の性犯罪No001|歩行中の女性を車で拉致監禁、集団強姦に及んだ事件③(裁判所の判断)

 

本件は,被告人が氏名不詳者と共謀の上,歩行中の女性をわいせつ目的で略取し,約25分間にわたり自動車内に監禁して,その間に強姦行為に及んで負傷させた,わいせつ目的略取,監禁,集団強姦致傷の事案(第1)及び営利の目的で大麻を有償譲渡し(第2),営利の目的及び非営利の目的で大麻を所持した(第3)大麻取締法違反の事案である。


第1は,女性の人格の尊厳や精神的身体的苦痛など一顧だにせず,単に自己の性欲を満足させたいという身勝手極まりない動機から犯行に及んだものと認められ,その動機に酌量の余地は全くない。


その態様も,被告人が氏名不詳者と共謀して,深夜,被害女性の傍らに自動車を停車させるや,被告人が同女の腕をつかんで,同女の必死の抵抗も意に介さず車内に引きずり込み,これに合わせて共犯者が自動車を発進させた後,被告人が同女の腹部を手けんで数回殴打するなどして人気のない場所まで連行した上,2人が順次同女を強姦したものであって,その犯行は,大胆かつ卑劣で悪質というほかない。


そのような犯行を被告人が主導的に行っている。被害女性を約25分間と比較的短時間で解放したのも,犯行現場に別の自動車が近づいてきたため犯行が発覚することをおそれたからにすぎない。


被害女性は,何の落ち度もないのに,突然,自動車内に連れ込まれ,助けを求めることもできないまま人気のない場所に連行され,2人から順次強姦されたものであって,犯行により受けた恐怖感や屈辱感,絶望感は察するに余りある。

 

同女は,全治約5日間の傷害を負っただけでなく,被害後,夜に1人で出歩くのが怖くなったり,食欲が無くなったりしたもので,その受けた精神的苦痛は深刻である。

このように,発生した結果は重大であり,同女の処罰感情が厳しいのも至極当然である。

 

これに対し,被告人は,一切身に覚えがないなどと不自然,不合理な弁解に終始して責任逃れを図っており,反省の態度は全く見られない。第2及び第3の大麻取締法違反は,被告人が安易に利益を得ることを考えるなどして犯行に及んだもので,その利欲的かつ短絡的な動機に酌むべきところはない。被告人は,平成18年2月ころから,継続的に知人に大麻を売って利益を得ており,第2の営利譲渡及び第3の営利目的所持は,いずれもその一環として敢行されたものであって,その犯情は悪い。

 


被告人の行為の結果,違法薬物の害悪を広く社会に拡散させており,その責任は
重い。


そして,本件が継続的犯行の一環であることや,被告人が自宅に所持していた大麻が多量であることなどに照らせば,被告人の大麻に対する親和性は強いものと認められる。


以上によれば,被告人の刑事責任は相当に重いといわざるを得ない。


一方,大麻取締法違反については,罪を認めて,二度と薬物には手を出さない旨述べるなど反省の態度を示していること,祖母が,被告人の母親らと共に被告人の生活を見守っていきたい旨述べていること,前科前歴がないことなど,被告人にとって酌むべき事情も認められる。


そこで,諸般の事情を総合考慮すると,被告人の刑事責任には相当に重いものがあり,被告人にとって酌むべき諸事情を十分考慮しても,主文の刑は免れないものと思料する。